琵琶湖のある風景を大切にしたい
更新日:2017年8月24日
川崎 寿喜さん(草木染手織工房・吾亦紅)
草津市内の自宅で草木染手織の工房・教室を開く川崎さんにお話を伺いました。
草津で草木染を始められたきっかけは?
クサギで染めた水色が美しい着物
山登りが趣味の主人は滋賀県が大好きで、草津への移住を決めました。元々染色や織りを学んでいたのですが、その当時は化学染料を使っていました。ある時、草木染の本を見ていると、主人から「この草はあそこに生えているよ」「この木はあのあたりにあるよ」と、とても身近なものであると教えられたのです。材料が身近にあるのであればやってみようと思い立ち、実際に手持ちの絹糸で染めてみました。すると、その色合いの複雑さに驚き、色々な材料を試しているうちに、すっかりはまってしまいました。
織り機の説明をする川崎さん
5人のお子さんを育てながら、工房と教室の運営を両立してきたとのことですが、大変ではありませんでしたか。
上の3人と、下の2人は歳が離れていたこともあって、上の子がお風呂に入れてくれたり、遊び相手になってくれたりと、子どもが子どもの面倒を見てくれました。
また、子どもがいても、教室や作品展はいつも通りに行っていました。展示作品の傍らに赤ちゃんを寝かせていたこともあります。自分のペースでできたのがよかったのかもしれません。
学校や近所の友達が、赤ちゃんを見に来ることもありました。赤ちゃんとの触れ合いを、各ご家庭で興味深く話していたようで、情操教育になるとお友達のお母さんからも喜ばれました。教室の生徒の方たちも上手に子どもの相手をしてくれ、家族のように育ってきました。
子どもたちが保育所に入ると、草木染の体験学習の講師を依頼されることもありました。先生たちの間でうわさが広まり、多くの保育園で草木染に取り組むようになりました。今でも玉ねぎの皮などを使って草木染めに取り組む保育所があるようです。
草津市で魅力的だと思うところはありますか。
やっぱり琵琶湖があるのは、とても魅力ですね。高知県の出身なのですが、海が身近な存在でした。水に映る陽光や空や雲、風の流れなど、次々と移り変わる水場の風景が地元の風景と重なり、作品を作る上でのイメージの源になっています。
今後、草津市にどんな街になってほしいと期待しますか。
中心部は開発が進んで都会的になり、ずいぶんと景色は変わりました。その中でも琵琶湖は変わりません。琵琶湖があるからこそ残る風景があるので、今後も琵琶湖をきれいに守りたいと思いますし、そうあってほしいと願います。
手織ショール
ふるさとチョイス草津市草木染・手織ショールページ(外部リンク)
写真の手織ショールは、草津市ふるさと寄附の返礼品としても扱っています。
自然の草や木を煮出して色を抽出し、染めた糸を使って手織した、和洋どちらにも使えるショールです。
一点一点丁寧な手作りですので、世界に一つだけのショールです。自然の材料を用いるため、季節に応じた素材(シルク、ウール、カシミヤ、コットンカシミヤなど)、色、柄等、お任せになります。
