こんにちは市長です(グループ)(平成30年6月27日開催分)
更新日:2018年10月19日
市長が、まちづくり活動をしているグループや個人などと対話する「こんにちは市長です」の概要を、広報課でまとめたものです。
日時
平成30年6月27日(水曜) 午前10時から午前11時まで
場所
草津市役所
相手方
ふるさと玉川・民具を照らす会(代表 山上和美さん・草津市在住)
主な対話内容(内容は、広報課で編集しています)
橋川市長
日頃から民具を通じまして、子どもたち・高齢者・地域と熱心に交流していただいていることに感謝申し上げます。よろしくお願いします。
ふるさと玉川民具を照らす会(以下、「照らす会」)
私たちの活動を、スライドを使って説明します。
民具は時代とともに使われなくなり、処分されようとしています。私たちは、温故知新を合言葉に、消えゆく民具の保存と伝承をテーマに活動しています。
最初に、玉川小学校に埃をかぶった民具があることを知り、調査を始めました。
調査の結果、生活道具や漁具、猟具など150点余りあることがわかり、これらを整理し、寸法測定や写真撮影をし、データベース化することにしました。また、地域の15名の高齢者の方々に聞き取り調査を行いました。そして、それらのお話をいかした民俗かるたを作りました。作成した民俗かるたを発表し、複数の新聞で取り上げていただきました。
平成28年には、地域行事の「萩まつり」に参加し、子ども達には民具のビンゴゲームを、大人には民具を披露しました。また、玉川小学校3年生の「昔のくらし」という授業にも参加し、民具の紹介や体験談を話しました。
高齢者サロンやデイサービスでは、民俗かるたを使ったり、昔の映画スターのブロマイドを映写したりする「回想法」を使い、参加者に当時を思い出してもらい、たくさんお話をしてもらいました。
これからは、地域の高齢者サロンやデイサービスなどの施設に呼んでいただき、昔懐かしい思い出話に花を咲かせ、楽しい語らいを通じて、認知症予防にもつながっていく活動になることを願っています。
照らす会
草津市は、健幸都市宣言をされ、百歳体操や健康管理などいろいろな取り組みをしておられます。私たちは、その中でも「心の健康」について、高齢者サロンやデイサービスなどの施設で、民具や民俗かるた、昔のスターなどのスライドを使い、懐かしい思い出を語ってもらう回想法という活動をしています。回想法は、認知症予防や高齢者の方々の生き甲斐にもつながり、今後全国に広がっていくと考えており、是非草津市でも取り入れていただきたいです。
また、民具を次世代の子どもたちに伝承していくことも必要です。今後、小学校の授業の他にも、子ども会や町内活動の一環として、子どもたちに民具を見て触れて考えてもらう活動もしていきたいです。
橋川市長
皆様の活動は、本当に大切な取り組みだと思います。それが市内全体に広がるように進めていくことが大切です。草津市は、平成28年8月に地域の皆様とともに健幸都市宣言をしました。おかげさまで、健康推進委員の皆様の取り組みなど、さまざまな活動の結果、草津市民の平均寿命や健康寿命は全国的にも非常に高くなりました。平均寿命は、草津市の男性が82.6歳で全国5位に、女性は87.9歳で100位内に入っています。
平均寿命は高くなりましたが、これに満足するのではなく、さらに高めていくことが大切です。特に、健康寿命を高めることと、平均寿命と健康寿命との差を縮めることが大事です。
健康の秘訣は、適度な運動とバランスのとれた食事、そして睡眠・休養を十分にとる、ということです。私はそれに加えて、人と人とが交流し、語り合うことが、心の健康や健康寿命を延ばすために大切だと思っています。今、市役所のさまざまな部局の取り組みを健幸都市づくりに照準を合わせて、総合的に進めています。
心の健康を高めるために、この民具は非常に良いきっかけになりますね。子どもたちと高齢者が、民具を使って語り合うことが、もっと広がればと思います。
小学生は、昔の暮らしを学ぶ授業があります。それぞれの小学校で、保管しているものや地域の方からお借りした民具を使って授業に取り組んでいます。
高齢者サロンやデイサービスなどの施設での皆様の活動内容は、他では聞かない取り組みであり、高齢者福祉の点からも、是非広げていきたいと思います。
また、「ゆうゆうびとバンク」という、さまざまな知識や技術、経験を社会で生かしていただく学習ボランティアの人材バンクの制度がございます。御登録いただくとリストに載り、活動内容を市民の方に分かるように発信をします。地域の方や学区、町内会など、そういう方々がそれを見て申し込まれ、日程を合わせて出向いていただくという活動になります。
照らす会
5月13日(日曜)に草津クレアホールで開催された「草津市文化振興フォーラム」に参加しました。草津市のこれからの基本政策に、高齢者・障害者の文化活動の充実や文化的資産の継承・活用があり、これらは我々の取り組みに当てはまると思います。
市長
まさにそうですね。今年度、歴史文化基本構想を作成中であり、その中でも民具の保存と活用について検討する必要がありますね。
照らす会
私たちは、パソコンを使って、玉川小学校の民具のデータベースを作りました。今後、このデータベースが市内で広まれば、もっと民具が活用されると思います。
市長
市内には14の小学校があり、その中で9つの小学校には民具が保存されていますが、玉川のようにたくさんの民具は他にはありません。重なるものもあると思いますが、データベースがネットワークとしてつながれば、可能性が広がりますね。
照らす会
新聞で、学校所蔵のものがどんどん捨てられており、自治体などが全体を把握して、活用する方法を考えていくべきじゃないか、ということが載っていました。私たちもそれを願っています。
例えば、市の方でもどこか一か所に集めて皆さんに見ていただけるような場所があればいいと思います。
市長
場所の確保は現実的に難しいですが、民具などの文化財は、保存するだけではなく、いかに活用するかも大事であると思っています。
照らす会
今日お伺いしたのは、回想法を地域で広めたいということです。もっと地域の方々に回想法を知っていただいて、その方々も同じような形で地域の高齢者の方々にしてもらえると、もっと多くの皆さんがコミュニケーションをとれて楽しいひとときを過ごせると思います。
近隣では、守山市でも取り組まれているようです。また、愛知県の北名古屋市には、全国唯一、回想法を取り入れた歴史民俗資料館があり、多くの方が勉強をしに行かれています。また、専門機関から講師を招いて学ぶこともできます。
市長
高齢者福祉や生涯学習の観点を中心に、市全体に広がっていけばいいなと思います。
照らす会
回想法の活動がもっと広まれば、家にこもっている高齢者がいきいきと暮らせるようになります。それが心の健康につながると思いますので、ぜひ草津市中に広めたいと思っています。
市長
ありがとうございます。市としましても、高齢者の方がとじこもったり、一人暮らしで孤立されたりすることが増えているのが課題です。回想法は長寿いきがいにつながると思います。
照らす会
私たちの回想法の活動も、土台を知った上で行う必要があり、行政のバックアップが必要です。私たちの人数では、とても市内全域を回れません。百歳体操のように、地域で回想法ができる人が増えて、それぞれの地域で活性化すればいいなと思います。
市長
具体的にはどのようにされるのですか? 皆さんがお考えになったのですか?
照らす会
試行錯誤しながら、私たちで考えました。だいたい1グループ8人で、1時間ぐらいが目安です。はじめに民具を見ていろいろ話をしてもらい、その次に民俗かるたをやって、そのあと映像を見ます。1時間でそれだけやるのはちょっと大変ですが、皆さんに喜んでいただいています。
この民俗かるたは、手を伸ばして取り合うのは難しく危険なので、参加者にこのかるたを配って、読み札に対応する札を持っている人が、その内容を説明する、といった形です。そうすると、私たちがしゃべらずとも、皆さんの方からどんどん積極的にしゃべっていただけます。
自分自身も参加していてそれに刺激され、活性化されて、元気になります。もう参加してあげているのではなく、自分もしてもらっているという気分になるぐらいですので、効果は非常にあると思います。
照らす会
今日の市長さんとの話を聞いていまして、私たちのすることにすごくいいよ、やってよって、こんなこともやってよって、すごく助言をいただきました。今日このトークに来てよかったと思っています。ありがとうございました。