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司書のおすすめ(「図書館だより」より)

更新日:2020年8月31日

毎月発行している「図書館だより」に掲載した「司書のおすすめ」です。本選びの参考にしてください。
資料によっては、貸出中の場合があります。詳しくはお問い合わせください。

『みらいめがね』 荻上 チキ 著 暮しの手帖 2019年刊 一般書 914.6オ 【両館所蔵】

本書は、雑誌「暮しの手帖」で連載していた評論家の荻上チキさんと絵本作家のヨシタケシンスケさんによるエッセイ集です。
ディズニー作品から女の子の生き方を学んだことや、うつ、別居、離婚を経て自分の生き方を見つめ直したことなどが赤裸々に綴られています。そんな荻上さんのエッセイを読み解いて描かれたヨシタケさんのイラストは、思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアあふれる独特な発想で表現されています。表現のズレが絶妙にマッチしているお二人の視点を一度に楽しめることも本書の大きな魅力となっています。
例えば、荻上さんがうつ病の体験を綴ったエッセイには、ヨシタケさんがうつ病のつらさが髪の毛に表れる薬があれば本人も周りの人もすぐ分かるのにというゆるい発想でイラストをつけていて、真面目な内容でも堅苦しくなく、見ていてほっこりします。
テーマごとにハッとさせられる言葉が盛り込まれ、誰もが世の中で感じる「生きづらさ」の原因と解決策を優しく解き明かしてくれています。特に、物事の見方をめがねに例えて描いているあとがきでは、日々いろんな色めがねで世の中を見ていることや、めがねは自由にとりかえられることに気づかされ、自分も知らないうちにいろんなめがねをかけながら生活しているのかもしれないと感じました。本書を手に取り、世界の見方を広げ、自分に合うめがねを探す旅に出かけてみませんか。 (本館 神村)

『おばあちゃんとわたし』 松鳥 むう 著 方丈社 2018年刊 一般書 726.1マ 【南館所蔵】

著者は、離島とゲストハウスと民俗行事を巡る旅をライフワークとするイラストエッセイスト。多数の旅日記を出版していますが、本書は、山間の田畑に囲まれたのどかな集落で共働きの両親に代わって、姉弟の面倒を見てくれたおばあちゃんと過ごした思い出の日々を温かみのあるイラストで綴っています。
春に炊くほろ苦いつくしの佃煮、新緑の手摘み新茶、夏の冷えたマクワ、干しかんぴょう、つけもん、秋のぼたもち、七輪の焼きしいたけ、冬のこたつで作る納豆など、子どもの頃から当たり前のように口にしていた四季折々のごちそうが、実はおばあちゃんの手間暇かけた愛情のたまものだったことに大人になって気づいたむうさん。歳を追うごとに幸せの隠し味がぎっしり詰まっていたごちそうと共に過ごした記憶がふつふつと蘇ってくるそうです。土山の新茶・日野菜漬け・栗東新善光寺のういろなども紹介されおり、滋賀県出身の著者に読者は、より親しみを感じることでしょう。
おばあちゃんは、大正4年生まれで、戦時中焼夷弾の降る中を幼い長女の手を引き、赤ん坊(著者の父)を抱きかかえ、防空壕に駆け込む日々をたった一人で切り抜け、子どもを育て上げたパワフルな人でもありました。
近頃、何気ない日々の暮らしが実はとても貴重だと思うようになりました。日々の記憶は、その人の心の宝物や生きる糧になるのではないでしょうか。特別なことは何もないけれど、慈しんで育てることの大切さを本書は教えてくれています。 (南館 川端)

『掃除婦のための手引き書 -ルシア・ベルリン作品集-』 ルシア・ベルリン 著 岸本 佐知子 訳 講談社 2019年刊 一般書933.7ベ 【両館所蔵】(図書館だより2020年7月号より)

読後は、しばらく呆然とし、その衝撃に物語を反芻することを余儀なくされた。
著者は、鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より、北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。結婚、離婚を繰り返し、4人の息子をシングルマザーとして育てながら、一方でアルコール依存症に苦しむ日々を送っていた。
本書は、著者が20代の頃から自身の体験に根差した小説を書き始めた作品が死後十年を経て「再発見」され、海外でたちまちベストセラーとなった初の邦訳作品集である。読み進めば進むほど、これが自伝的小説?嘘でしょ?と思わずにはいられなかった。作品は、鉱山町で過ごした幼少期、テキサスの祖父母の家で過ごした暗黒時代、豪奢で奔放なチリのお嬢様時代、シングルマザー時代やアルコール依存症との闘い、そして、癌で死にゆく妹と過ごすメキシコの日々など、一人の女性が抱える人生とは思えない程、波乱で陰鬱、感情的で行き場のない闇、それでいておおらかで、ユーモアあふれる豊かさを持ち、紆余曲折で起伏に富んでいるからだ。どの作品も秀逸で取り上げるときりがないが、アル中の歯科医の祖父の抜歯エピソードは特に印象的だった。絶望的な状況の中にある、したたかな生命力、エネルギーが行間から溢れている。どの作品も経験したこともないような人生がすぐ近くに感じられた。誰もが意のままになんてならない人生のほんの一瞬の光や愛や笑いに救われているのだ。
読後に呆然とするのは、彼女から手渡された贈り物を大事に握りしめている時間なのかもしれない。 (本館 二井)

『風と双眼鏡、膝掛け毛布』梨木 香歩 著 筑摩書房 2020年刊 一般書914.6ナ【両館所蔵】(図書館だより2020年6月号より)

自分の暮らす土地の名前の由来をご存知でしょうか?何気なく使っている地名ですが、掘り下げて調べると地域に根差した深い由来があるかもしれません。
本書は、作家の梨木香歩氏が自身の経験や知人の体験談、そして自ら調べた情報を基に各地の地名に想いを馳せています。始めは、どこの地域の話か分からなくても、読み進めていくうちに知っている街道の名前や土地の名前が出てきて、聞き慣れない地名にもだんだんと親しみを持つことができます。また、巻頭には本書に登場する地名が日本地図上に書かれており、一目でどこの地名か確認することもできます。エッセイとして気軽に楽しめる本ですが、各地の地名の由来やその土地の歴史は、かなり専門的に調べられており、地名に詳しいという方にも読み応えがあります。著者は以前、滋賀県に住んでいたことがあり、滋賀県の地名もいくつか登場します。東海道の地名について紹介する中では、大津 石場(大津宿)、矢橋(草津宿)頓宮(土山宿)、湖川の傍にある地名では、守山の浮気について書かれています。矢橋の地名には、「姥が餅」「矢橋帰帆」など、なじみ深い言葉とことわざ「急がば廻れ」の話が登場します。また、土山宿を紹介する際には、地域の人々との交流を温かく記しています。
よく知る作家のエッセイとして手に取りましたが、様々な地名の奥深さに出合うきっかけとなりました。いつか実際に訪れたいと思う土地がたくさんありますので、行きたい地名リストを作ってみても楽しいかもしれません。(南館 村田)

『詩画集 プラテーロとわたし』J.R.ヒメネス 作 波多野 睦美 訳 山本 容子 絵 理論社 2019年刊 一般書961ヒ【本館所蔵】(図書館だより2020年5月号より)

あたたかみのある淡く優しいオレンジ色の中、一頭の小さなロバがうれしそうな、はにかむような顔つきをして、こちらを見ています。その目の穏やかさがなんとも印象的で、一瞬にして心を奪われます。
イタリアの作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコは、ノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネスの代表作と言われる散文詩集『プラテーロとわたし』から28篇を選び、朗読とギターのための音楽を創作しました。本書は、その音楽の演奏のために歌手の波多野睦美が手掛けた日本語訳と、銅版画家の山本容子が詩の情景を刷り上げた銅版画で構成される「詩画集」です。
『プラテーロとわたし』は、ヒメネスが故郷アンダルシアで静養中に可愛がっていたロバのプラテーロと過ごした日々を描いたものです。波多野の訳詩には、ギターの音に合わせるためにスペイン語の語順を崩さない等の注意が払われていますが、不自然さはなく、むしろ一つひとつの言葉の美しさを際立たせているように思います。そして、一つの詩ごとに現れる銅版画もまた、どれもが色彩豊かで美しいのですが、中でもヒメネスとプラテーロが寄り添いながら本を読むシーンは、言葉だけでは表現しきれない愛情を見事に描き出していて、音楽と言葉と画が相まってこそ本書が完成するのだということを感じさせます。
プラテーロが駆けたアンダルシアの丘は、どんな香りがするのでしょう。素晴らしい文学作品は、旅行ガイドブックとはまた違った趣で、私たちの知らない土地への憧れを掻き立ててくれます。 (本館 大西)

『お母さんは、だいじょうぶ -認知症と母と私の20年-』楠 章子 文 毎日新聞出版 2019年刊 一般書916ク 【南館所蔵】(図書館だより2020年4月号より)

厚生労働省が2025年には認知症の人が700万人に達するというショッキングなデータを発表し、世間の注目が集まりました。現在、関係書も数多く出版されています。
そんな社会状況の中から紹介する本書は、児童文学作家でもある著者が、大学生の頃に、母親の若年性アルツハイマー型症発症という事態に直面したことから始まった介護をエッセイと4コマまんがで綴った体験記です。著者が手探りで始めた介護生活は20年間に及び、家族、近所、行政、施設との助け合いのもと、現在も健やかに続いているそうです。
時には、「大嫌い!」と暴言を吐かれてケンカしたり、たばこの吸い殻入りのコーヒー缶やごみを拾ってくる母をきつく叱っては後悔したり、外出先で自分の服に母の便が付いていることに気付き情けなくなったりと、著者にとっては泣きたいことやつらいことが数多くあったそうです。でも母のタンスの中におにぎりや冷蔵庫の中に洋服を見つけ、思わず笑ってしまったり等、涙と笑いのエピソードが親しみやすい文章とゆるいイラストで紹介されています。
また、コラム的に記載されている著者の体験的アドバイスや基礎知識も実践的でわかりやすく参考になります。
介護の仕方は、それぞれの家庭の事情によって違いますが、「こんな方法もあるな。」「うちの方が大変だな。」など思いながら、先が見えないけど、なるべく疲弊しないで長く、くすっと笑いながら、少し肩の力を抜いて、明るく幸せな介護ができるのではと希望を持たせてくれそうな気がします。 (南館 川端)

『わかりやすさの罠-池上流「知る力」の鍛え方-』池上 彰 著 集英社 2019年刊 一般書002.7 【両館所蔵】(図書館だより2020年2月号より)

いまやテレビで見ない日はない、元NHKニュースキャスターでジャーナリストの池上彰さん。著書も多数出版されていて、「池上彰の○○○」とタイトルに名前がついているものはどれもベストセラーになっています。そんな著者の人気の理由はズバリその解説の「わかりやすさ」にあります。著者自身もずっと「どうすればわかりやすくなるか」ということを考えてきたそうですが、「私の番組だけ見て満足してしまい、その後自分で関心を持ってニュースを見たり、新聞を読んだり、調べようというところまでいかずわかった気になる」人々が陥る「わかりやすさの罠」に警鐘を鳴らしているのが本書です。
全部で5章からなるその内容は、「わかりやすさ」への疑問に始まり、テレビ番組の悪化やネットニュース、新聞広告の危険性についてなど著者のこれまでの経験をもとに切れ味良く語っています。中でも、著者が日々実践している「知る力」を鍛える具体的な方法が紹介されている章は、大変興味深く読みました。さすがに新聞13紙を毎日読む時間の使い方には脱帽でしたが、書店めぐりのコツや雑誌から情報収集する技などは誰にでもすぐに実践できそうです。
また、驚かされたのは、毎日、新聞や本で大量の情報に触れ、入念な下調べをしている著者でさえ、現場にいくと「わかったつもり」の自分に気づくそうです。著者自身とても恥ずかしく感じるそうですが、それ以上に新しいことを知る喜びを味わえるといいます。「知る喜び」を味わうには「知る力」を鍛えること、そして何よりまず「自分で考え、自分で判断する」ことの大切さを、身をもって私達に伝えようとしてくれている著者の熱い思いがひしひしと感じられます。(本館 二井)

『その情報はどこから?』猪谷 千香 著 筑摩書房 2019年刊 一般書070 【本館所蔵】(図書館だより2020年1月号より)

最近、人気ブロガーやインスタグラマーの本が発売されたり、Twitterで人気のつぶやきやWeb小説が書籍化されたりと、ネットの情報が注目を浴びています。 SNSや動画配信など楽しくネットを利用されている方も多いと思います。そんな中、どれだけの人がネットリテラシーを持って利用できているのでしょうか。
本書は、膨大なネット情報の「質」に注目し、私たちが情報の海で溺れないための方法について、ネットのニュースサイトの記者をしている著者が、具体的な事例を挙げながら紹介しています。情報が私たちに届くまでの仕組みや誰もが陥りやすいネットの落とし穴、情報取得のコツなど、知っておくと役立つ内容が盛り込まれています。
中でも印象的なネット情報の危険性が二つありました。一つは、ネット広告です。自分が開くどのサイトにもなぜかつきまとうように同じ広告が出るという経験はありませんか。一見邪魔な広告としか思わないかもしれませんが、そこに私たちの情報選択に影響をもたらす秘密が仕組まれているのです。二つ目は、悪質なデマです。実際の事例として、災害時に悪ふざけでツイートしたデマが拡散され、混乱を招いたケースが挙げられています。このような軽率な情報の扱いで、多くの人が傷ついたり、大きな問題に発展する場合もあるのです。
本書を通して、情報を自分で選択しているつもりでも知らない間に受け取る情報に影響されているのかもしれないと感じました。目に見えない情報の海に安易に飛び込むことがどれだけ危険なものかを痛感させられます。正しく情報を選ぶための方法を多くの人に知っておいてほしいと思います。 (本館 神村)

『97歳の悩み相談 17歳の特別教室』瀬戸内 寂聴 著 講談社 2019年刊 一般書914.6セ【両館所蔵】 (図書館だより2019年12月号より)

令和元年がもう少しで幕を閉じます。今年はどのような年だったでしょうか。令和2年も、新たな気持ちで迎えたいですね。中には「あれやこれやと悩むことがあって」という方もおられるかもしれません。そんな方にお薦めするのが本書です。
著者は、女流作家として活躍し、その後出家、1974年に京都嵯峨野にて曼荼羅山寂庵を結び、執筆と共に法話や写経の会を定期的に開催してきました。最近、66歳年下の秘書を迎えたことから、益々パワーアップし、執筆活動、テレビ・雑誌等の取材など精力的に活動の場を広げています。
本書は、今年の1月に開催された「10代のための特別法話」、WEB上で募集した「10代のための悩み相談」をまとめたもので、成績や進学など世代特有の悩みもありますが、どの世代でも当てはまる相談もあります。
御年97歳人生の大先輩が、相手に語りかける法話のように、穏やかでわかりやすい言葉で人間関係やコンプレックス、成績、恋愛、人生、子育て、生きることの意味など様々な悩みに答えてくれます。若者の代表でもある秘書のまなほさんのいまどきのアドバイスもプラスされ、より理解しやすくなっています。また、1つの相談が1ページ半と簡潔にまとめてあり、読みやすくなっていますので、気になる相談だけに目を通すこともできます。
10代の方はもちろん、かつて10代だった方は、「なるほど」「いやいやそうじゃないよ」「私はこう思う」とそれぞれ感じながらも、痛快な寂聴節に来年に向けて背中を少し押してもらえます。 (南館 川端)

『NO BOOK NO LIFE Editor's Selection』 雷鳥社 編 雷鳥社 2018年刊 一般書019.9【南館所蔵】(図書館だより2019年11月号より)

文化の日を中心とした10月27日から11月9日までを読書週間とし、全国で読書推進に向けた様々な取り組みがなされています。草津市も毎年この時期に、くさつ図書館まつり実行委員会主催の「図書館まつり」を開催しています。また、今年の読書週間の標語である「おかえり、栞の場所で待ってるよ」には、忙しい日々の中で、ほっと開いた本の世界は、自分の帰りを待ってから進んでくれる、という作者の思いが込められているそうです。
本書では、本に携わる仕事をしている22人の編集者が15のトピックスに分けておすすめの本を紹介しています。項目には、「思わず「うまい!」と言ってしまった タイトルに感心した本」、「いつかこんな本をつくってみたい 自分が目標にしている本」などがあり、目次を見るだけでどんな本が紹介されているのかワクワクするものばかりです。「この本は絶対に売れる 書店で確信した本」という項目では、表紙・イラスト・タイトルから売り方にまで着目してあり、編集者ならではの視点が覗えます。また、編集者の仕事の豆知識がQ&A方式で紹介してあるので、編集者の仕事に興味のある方にもおすすめです。新たな本との出合いとなることはもちろん、自分の読んだことのある本が紹介されていると、もう一度読み返してみようかなという気持ちになります。
司書の仕事は、本と人を繋ぐ架け橋となることですが、本書は人と本とを繋ぐお見合い会場のようなものと書かれています。読書の秋が深まる中、いつもと違ったジャンルの本を手に取ってみてはいかがでしょうか。 (南館 村田)

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