11月4日 「文化財を未来(あす)へとつなぐ」 (文化財保護課 樫木規秀)
更新日:2014年11月4日
平成26年度採用のフレッシュな若手職員がリレー形式で書き手を繋ぎながら、それぞれの視点で、業務をとおして感じたことや草津市の魅力やホットな情報を、職員の言葉で直接お届けします。
「文化財を未来(あす)へとつなぐ」
調査風景
皆さん、はじめまして。今回「若手職員の情熱ブログ」を担当します文化財保護課の樫木と申します。私は大学で考古学を専攻していたので、豊かな歴史をもつ草津市で文化財に関わる仕事がしたいと思い、草津市を志望しました。
さて、私が所属する文化財保護課の仕事をご紹介します。本課では、草津市の貴重な文化財を調査し、これらを将来にわたって保存・継承するとともに、皆さんに郷土愛を育んでもらえるよう、その啓発に努めています。その中で、私は市内の埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査業務を主に担当し、文化財の保護にあたっています。
現在、市内には153ヶ所の遺跡があり、遺跡内での各種開発の前に発掘調査等を実施しています。調査では、昔の人々の生活の痕跡(遺構)を土の色の違いで確認し、スコップ等で掘り下げていきます。写真は、矢橋町にある南東浦遺跡の調査の様子です。黒い所が遺構で、私の立っているところが井戸跡になります。そして、調査の過程などを、写真や図面で記録に残し、各遺跡の保護を図っています。調査で得られた成果は、調査報告書にまとめるとともに、展示会などその後の啓発事業で活用します。
陶磁器の実測・観察(年代や生産地の特定)
調査において、担当者が遺跡の記録を正確に取ることができなければ、文化財が適切に保護されていないことになります。そのため、文化財を保護する最前線に立っていることを自覚し、日々、プレッシャーを感じながら業務にあたっています。しかしながら、発掘調査は、草津市の歴史を掘り起こす作業であり、「歴史の香り溢れる草津市」につながる、大いにやりがいのある仕事だと感じています。
草津市内には、数多くの貴重な文化財がありますが、まだ十分に周知されていないように思われます。そのため、市内の学校等への出前講座や文化財めぐり等を通して、市民の皆さんに文化財に親しんでいただく機会を増やしていきたいと考えています。そして、文化財を通して草津市が歩んできた歴史や育まれてきた伝統文化等について知っていただけるよう心掛けたいと思います。
まだまだ知識・経験とも不足していますが、適切な文化財の保護・調査を行い、魅力ある草津市の文化財が次世代に継承されるよう努力していきたいと思います。
