地域協働合校事業概要
更新日:2024年6月19日
1.地域協働合校とは
地域(ちいき) 小・中学校区を単位とした地域を指します。
協働(きょうどう) 子どもと大人が世代を超えて知恵を出し合い、協力して共に活動します。
合校(がっこう) 社会の変化に対応するために学び合う社会=「地域学習社会」を表しています。
本市では、平成10年度から、学社融合(注釈1)の考え方に立って学校・家庭・地域がそれぞれの持つ教育機能を活かしながら、子どもと大人の協働による「地域学習社会」づくり(大人と子どもが、地域文化や現代的な課題などについて学び合い、協働を積み重ねる社会)を目指し、「地域協働合校推進事業」を進めています。
この事業により、地域のさまざまな活動に子どもと大人がより積極的に参加し、「地域で子どもを見守り育てる」といった意識が定着してきました。また、子どもと大人の交流を通して学び合いが積み重ねられ、互いの信頼と共感が生まれ、地域での教育力が高まっています。
注釈1 学社融合・・・学校教育、社会教育の双方の主体(学校、地域)が、それぞれの教育効果をあげるため、学習の場や活動などを通じて、お互いの良さを取り入れながら、一体となって教育に取り組んでいこうというものです。(例:学校の音楽発表会(学校教育)と地域のふれあいまつり(社会教育)を一緒に実施する場合など)
2.基本理念
趣旨
学校・家庭・地域が協働し、あらゆる教育資源を活かして市全体で子どもを育成します。すなわち「"ALL草津"で子どもを育てる」ことが本市の方針です。
本市では、「草津市教育振興基本計画」に基づき、「子どもが輝く教育のまち・出会いと学びのまち・くさつ」の実現に向け、地域の大人が子どもの学びを支えるとともに、地域に開かれた学校で子どもと大人が協働し、ともに輝けるよう「社会全体で学びを進める」ことを目指します。
理念
学校・家庭・地域がそれぞれの教育機能を十分に発揮し、互いに協働することにより、子どもが健全に育ち、人が輝く地域づくりをめざします。
活動目標
地域が豊かになる学びを創るために、次のことを活動目標として進めます。
- 地域が支援する学校づくり
地域による学校支援を推進します。 - 地域で子どもが育つまちづくり
子どもと大人が共に参加する地域活動を進めます。
3.推進体制
小学校および中学校、地域(学区)ごとに、まちづくり協議会、地域の各団体や学習ボランティア・PTA役員・学校および大学等有識者など幅広い組織から構成された地域協働合校推進組織において、事業の推進を図ります。
また、市において、文部科学省の補助金(学校・家庭・地域連携協力推進事業費補助金)を活用し、教育支援活動の企画や運営方法を検討する学校運営協議会との連携による機能の充実を図るとともに、教育支援活動において学校・家庭・地域の調整等を行う地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員。以下「地域コーディネーター」という)を各小学校区地域協働合校推進組織に設置し、学校・家庭・地域の連携を推進します。
4.事業内容
地域
「子どもたちは地域でさまざまな人やものに接し、出会いとつながりの中で学びを深める。大人は子どもたちの学びを支えながら、共に学んでいこうとする。」そこに地域協働合校の理念が生きています。特別に作りあげた地域行事の場でなくても、普段から地域活動に子どもが参加することは、子どもにとって価値のある経験であり、教育となります。また、大人にとっても培ってきた経験や技能を発揮する場となり、生きがいにつながります。この観点から、地域の日常的な集いに子どもが参加できる機会を学校と連携しながら創出し、また、まちづくり協議会を中心に地域の特色を十分に生かした活動を展開します。
- 日常的な地域活動に子どもと大人が参加し、共に活動できる場の創出に努めます。
- 学校教育と連携した地域活動を通して、子どもの健やかな育成を目指します。
- 子どもたちの居場所づくりに努めます。
学校
学校は、子どもの学びを深めるところです。その学習の支援のために地域の大人が参画することは、学習内容を豊かにし、学びの効果を大きくします。また、学校の諸活動に地域の大人が参加する姿は、それ自体が子どもへの優れた教育になります。一方で、未来を担う子どもたちの教育を支援する活動は、大人自身の生き方にも大きな影響を与え、人生を豊かで充実したものにする効果も期待できます。
草津市教育委員会では、令和4年度から「スクールESDくさつ推進事業」に取り組み、環境、健康、福祉、人権、産業、歴史・文化等様々な地域課題を体験的な学びを通して、その解決に子どもたちが主体的にかかわり、地域社会の一員としての意識と行動力を身につけることを目指します。地域協働合校においても、これまでの事業に加え、持続可能な社会の創り手を育むための課題解決型事業を推進します。
- 地域の人が学校の教育活動を支援し、子どもと関わる取組を拡充します。
- 学校と地域の連携を深められる体制づくりのための情報収集や人材ネットワークの構築に努めます。
- 家庭の教育力の向上を図ります。
家庭
地域・学校と連携し、子どもの基本的生活習慣の確立に努めるとともに、家庭で参画できる事業内容を目指します。
- 保護者の家庭教育に対する意識向上を図ります。
- 家族の共通体験の機会の充実を図ります。
5.事業推進にあたって
地域コーディネーター(地域学校協働活動推進員の呼称)の充実と地域における人材の発掘
地域協働合校担当者(教職員)と地域コーディネーターが協力し、地域の教育資源や学校のさまざまな支援が図れる人材の発掘を行い、それらをつなぐ役割を実践することにより、さらに充実した地域協働合校事業の推進を図ります。
また、地域コーディネーターが主体的に地域と学校の橋渡し役となり、学校と地域の連絡調整、地域の協力者の開拓等を推進するとともに、地域と学校の実情に応じた定期的・継続的な活動プログラムのコーディネートを図ります。
事業評価による推進
地域協働合校事業について、事後の事業評価を各地域協働合校推進組織で実施し、今後の事業展開に生かします。
事業の精選
事業評価と合わせ、「地域協働合校」の基本理念に基づいた事業展開を図るため、学校教育と関連付けながら各地域協働合校推進組織や学校運営協議会等において検討および精選し、子どもと大人が共に学ぶことができるより良い環境を整えます。
事業で重点的に取り組む課題に応じた目標等の設定様式(地域と学校の連携・協働体制構築事業関係)
学校・家庭・地域連携協力推進事業(学校を核とした地域力強化プラン)を実施するにあたり、本事業で重点的に取り組む課題に応じた目標等を設定するものです。
事業で重点的に取り組む課題に応じた目標等の設定(令和6年度目標値)(PDF:175KB)
事業で重点的に取り組む課題に応じた目標等の設定(令和5年度実績)(PDF:185KB)
コミュニティ・スクールくさつとの連携強化
コミュニティ・スクールくさつにおける学校運営協議会との連携を強化し、一体的な推進を図ります。
スクールESDくさつ
地域協働合校の仕組みを生かして、スクールESDくさつで取り組む体験的な学びを深め、子どもたちが持続可能な社会の担い手となることを目指します。
コミュニティ・スクール くさつとの関係図
地域協働合校体系図
草津市内の各学校がそれぞれの特徴を生かして取り組む内容(事業例)
体験から学ぶ
自分たちが住む地域の自然(山や川)に生息する生き物や草木について、講師の方に教えていただきながら、実際に手に採ったり見たりして学んでいます。川やびわ湖の水質やホタルの生態や生息地を知ることで、地域の環境について学び、自然を大切にするためには、自分たちにできることは何か、を考えています。
このような校外へ出かける学びでは、地域の方々が、事前の学習場所の安全点検や当日の子どもたちの活動の安全を見守っていただくこともあります。
志津南小 伯母川で
笠縫東小 葉山川で
南笠東小 狼川で
常盤小 水田で
山田小 びわ湖で
志津小 ホタル学習
地域で受け継がれている伝統文化や芸能等について、地域の方からお話を聞き、実技の指導をしていただいています。学んだことを他学年に伝えたり、地域の行事に参加し、地域の方々と踊って交流を深めたりしています。
草津第二小 きつね踊り
笠縫小 伝統文化を学ぶ
草津小 日本舞踊体験
漁師や農家の方、郷土料理の専門家など、様々な人から郷土料理の歴史、故郷の食文化について教わりながら、実際に調理し食します。また、学んだことをまとめ、地域のまつりや商業施設で展示し、保護者や地域の方をはじめ、多くの方に見ていただいています。
渋川小 梅干しつくり
渋川小 ビワマスを調理
渋川小 展示発表の様子
草津市の花、アオバナを地域の方に教わりながら一緒に植え、栽培し、7月には花を摘み取ってハンカチを染める体験をしています。
地域の魅力や文化、歴史、今と昔の違いなどを地域の方とまちに出かけ、記憶絵や街並みを見ながら教えていただきます。
笠縫小 アオバナ栽培
矢倉小 町たんけん
交流して学ぶ
地域の方から外国の文化(言葉や服装、食事)等を紹介していただき、世界について学びながら、交流を深めます。
子どもたちが、地域の御高齢の方々に、地域のまつりで披露するステージ発表を見てもらった後、世代を超えた触れ合いの機会として、一緒におもちゃ作りに取り組みます。
学校の呼びかけで、地域にお住いの音楽家の方々によるミニコンサートが、昼休みに開催されます。学校にいる子どもたちをはじめ、地域の方も自由に鑑賞ができ、ともに音楽の楽しさを味わいます。
志津南小 韓国について知ろう
玉川小 高齢者ふれあいサロン
老上西小 ミニコンサート
老上西小 親子夏野菜栽培
体験
校内の学習園にて、親子で夏野菜を植え育てる取組をしています。農業合校の方に植え方などを教えていただいた後は、自分たちで水やりや観察をして、夏に収穫します。収穫した野菜は家庭に持ち帰ることができます。この夏野菜栽培は家族共通の話題が増える取組でもあります。
1年間を通して、地域の方にお世話になりながら、お米にまつわるお話をしていただき、代掻き、田植え、ニゴロブナの放流、案山子作り、稲の観察、稲刈り、収穫祭、わらないわらうち等の体験を行っています。中には、種から植える体験をしている学校もあります。
常盤小 案山子作り
笠縫東小 稲刈り体験
玉川小 わらないわらうち体験
安全安心な教育環境の整備
委員会活動の一環で、保護者や地域の方と一緒に花植え、水やりを行い、学校の周りを華やかにしています。また、学校図書館のリニューアルとして、ボランティアで参加した児童、保護者、地域の方で、分類方法や書架の配置の変更をし、図書の利用の増加につなげています。
老上小 花植え
草津第二小 図書館リニューアル作業
地域協働合校とSDGsのつながり
2:飢餓をゼロに
笠縫まちづくりセンター フランクフルト屋さん
矢倉まちづくりセンター 流しそうめん
志津南まちづくりセンター もちつき
3:すべての人に健康と福祉を
笠縫東まちづくりセンター わんぱく
草津中 車椅子体験
玉川中 心肺蘇生
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教育委員会事務局 生涯学習課 生涯学習係
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