こんにちは市長です(グループ)(令和4年1月26日開催分)
更新日:2022年2月24日
市長が、まちづくり活動をしているグループや個人などと対話する「こんにちは市長です」の概要を、広報課でまとめたものです。
日時
令和4年1月26日(水曜) 午前10時から午前11時00分まで
場所
草津市役所
相手方
くさつパールプロジェクトチーム(重原文江さん、内田雪絵さん、松井栄里さん)
主な対話内容(内容は、広報課で編集しています)
橋川市長(以下、「市長」)
くさつパールプロジェクトチームの皆様には、いつもお世話になりましてありがとうございます。本日は子育て支援の充実について、いくつか御提案をいただけると聞いております。よろしくお願いします。
くさつパールプロジェクトチーム(以下、「パールプロジェクト」) 内田さん
こちらこそ、いつもありがとうございます。私達が行う「輝☆業塾」も7期目となりましたが、今期の塾生13人の中に、3人のお子様がいる2人の塾生がおられて、話しをしていく中で、そのようにお子さんが多くおられても、仕事がしやすい、あるいは経済的に自立ができる環境を整えていくことが必要だと強く思いまして、市長との面談をお願いしました。今日は、「草津で産みたい、育てたい、育ちたい。」という思いを持っていただけるような草津独自の子育て支援「子育て三方よしin Kusatsu」を提案できればと思っています。
まず「産まれて、よし」ということで、草津市の出生率を上げていくような試みが必要だと思います。例えば、草津で産まれたお子さんの出生証明書を、オリジナルで英語版のものを発行できないか検討いただきたいと思います。海外で活動する際、出生の証明については、戸籍を英訳したものを使用しますが、これは日本独特のもので、諸外国はBirth Certificateというものが一般的です。草津で産まれた記念というだけでなく、世界基準で使える場面もあると思いますので、また御検討をお願いします。
加えて、草津宿本陣でホテルとタイアップした結婚式を企画されていますが、好評と聞いています。それに加えて、子どもの誕生記念に本陣で記念写真を撮るといったことを企画してはどうかと思います。人生の節目節目で草津を実感してもらえるような場を設けることは良いことであると思いますし、是非、前向きに検討いただきたいと思います。
次の「子育て、良し!」につきましては、事前に市長にお渡しした新聞記事にもありますように、妊娠に関しては、貧困や若年妊娠といった問題に対して支援が必要であるにも関わらず、草津市版のネウボラのイメージ図を見ても、そのような問題に対処する窓口が想定されていないように見受けられます。妊婦が抱える問題はもっと入口の所にあると思いますし、そういった意味で、ネウボラの図には男女共同参画センターが入っていません。妊婦がまずどこに相談すれば良いのかということが非常に分かり辛いですし、ワンストップの窓口という入口の部署をまず決めて、そこでしっかりと交通整理をするようにしなければならないと思います。以前は消費生活センターがそのような機能を担っていたと聞いていますが、その点について市長はどのようにお考えでしょうか。
市長
貧困等の問題の総合窓口としての役割は、人と暮らしのサポートセンターが担っています。ケースに応じて、他の機関とも連携を行いますが、子育て相談センターも市の機関でありますので、お互いに十分連携は取っています。ただ、この図の中に人と暮らしのサポートセンターがおりませんし、もう少し分かりやすく改善したいと思います。
妊娠をされると母子手帳を受け取られますが、その際にまず子育て相談センターが窓口となり、例えば貧困の問題等のお困りごとを抱えておられれば、専門性の高い部署や機関でないと問題を解決していけませんので、人と暮らしのサポートセンターにお繋ぎするという形が現在の手法となっています。子育て相談センターで全ての相談をお受けするとなると、組織が肥大化してしまい、また違った問題が出てくると思います。
パールプロジェクト 内田さん
また、先般開催された情報化推進懇話会の議事録を拝見したところ、子育てオンライン相談に関する意見がありました。意見の良し悪しでは無く、当事者である妊婦の方からはオンライン相談をもっとしたいという声をよく聞きますし、例えば、佐賀大学と提携してオンライン相談を行っているChilwel(チルウェル)というサイトを参考にしてはいかがでしょうか。草津市であれば、京都橘大学と連携して相談体制を充実していくということも考えられると思います。外部に委託することで、相談が有料になったとしても、それだけの価値があるものであれば利用されると思いますし、保育料の負担やこのような利用料金を、企業の福利厚生として導入し、女性が仕事を辞めずに済む、子育てをしつつ仕事も頑張れるといった職場を実現していこうという提案を、是非、市長から企業のトップの方々にしていただきたいと思います。
この情報化推進懇話会も、懇話会という性質を活かして、もっと自由に議論をした方が良いと思いますし、妊婦や若い世代の委員を入れて、当事者目線でもっと丁寧に議論して欲しいと思います。
市長
オンライン相談については、まだ始めたばかりで相談件数が確かに少ないのは事実です。周知不足なのか、または相談される方に寄り添った形になっていないのかをよく研究して、先ほど事例を紹介いただいた民間企業のオンライン相談も参考にさせていただきながら、より充実したものにしていく必要性を感じています。
懇話会につきましては、女性委員の比率が低くなっていますが、次の委嘱替えの際に女性や若い世代の声が反映できるように考えたいと思います。
パールプロジェクト 内田さん
周知の手法についても、窓口にチラシを置くだけでは不十分ですし、もっと考える必要があると思います。
市長
まず母子手帳を受け取られる時が、市との最初の接点になりますし、その際にオンライン相談ができますという周知が必要であると思います。市ホームページや子育て関係のコーナーにもしっかりと掲載できているか確認します。
パールプロジェクト 内田さん
まず、望まない妊娠をされた方は、市を訪れて母子手帳を貰うという発想や行動は無いと思います。そういったケースはどうするのかというシミュレーションが出来ていないと取りこぼしていく危険性があります。
パールプロジェクト 重原さん
そういった問題の相談先として、男女共同参画センターが出来たのだと思います。人員体制の問題もあるとは思いますが、やはり多様性を受け入れる社会を実現していくためには、専門性を高めるなど、もっと男女共同参画センターの機能を強化していく必要があると思います。
また、せっかく相談窓口を設けて、市の広報紙に掲載したとしても、なかなか若い世代は見ないと思うので、もっとSNSでの発信を強化していく必要があると思います。
パールプロジェクト 内田さん
それぞれの目的に応じてターゲットを絞った発信を意識しないと、ただ情報を流しているだけでは効果が薄いと思います。また、情報を1回発信したら終わりでは無くて、SNSが持つ機能を活用して、何度も発信するように心掛けるべきだと思います。
市長
その点については、工夫をする必要があると思いますし、効果的な情報発信について再度、広報課から各所属に働きかけをさせます。
パールプロジェクト 内田さん
次の「子育ち、よし!」ですが、弱視検査の啓発ポスターについては、以前からこちらで作成して啓発をしていきたいと市長にもお願いをしてきましたが、この度、試作品を作ってきましたので御確認をお願いします。
市長
ありがとうございます。弱視や乱視については早期発見が不可欠で、3歳半健診の際に見逃さず、適切な矯正を行えば大半が回復すると言われていますので、市としても早期発見の必要性をもっと訴えていきたいと思います。
パールプロジェクト 内田さん
今後、輝☆業塾の卒塾生等に寄附を募り、多くの方に携わっていただきながら、保育施設や子育てサークルなどに広く周知啓発をしていきたいと思います。子どもの弱視に気付かなかったことで母親が過度に責任を感じることなく、社会全体で母親を支えていく活動を目指していければと思います。
設備面では、3歳半健診の際に、検査機器で屈折異常を検査することが効果が高いと言われていますので、是非、草津市でも導入をしていただきたいと思います。
市長
弱視や乱視のリスクを見逃さないために、検査機器で屈折異常を検査する有効性は存じていますし、導入については前向きに検討していきたいと思います。ただ、機器を導入しても使用する医師との調整が必要になりますし、お時間を要することであると御理解いただきたいと思います。
パールプロジェクト 松井さん
弱視の早期発見の有効性だけでなく、弱視や乱視のことを知らない親は多くいると思います。みんながそのことを知り、早期の治療に繋げていければ良いと思います。
市長
弱視治療については、矯正眼鏡が必要ですし、そのことでいじめが起きないように、学校現場の理解や周知も必要だと思います。検査すれば終わりではなく、その後も対策を継続し、社会全体で支えていく必要があると思います。
市長
おっしゃる通り、治療には矯正眼鏡が必要ですし、そのことがいじめの材料に使われることが無いように、今一度、徹底をしたいと思います。
パールプロジェクト 内田さん
あと、多胎児家庭ホームヘルパー事業については、非常に好評でリピーターも多いと聞いていますが、一方で、草津っ子サポート事業は利用数が少ないと聞いています。利用をしたいという声は多く聞きますし、多胎児のお世話はもちろん大変でしょうが、年子であっても大変さは変わらないと思いますので、すぐには難しいとは思いますが、対象を年子や多くのお子さんを抱えておられる家庭に広げていくことは検討いただけないでしょうか。
市長
お話は理解できますので、検討していきたいと思います。
パールプロジェクト 内田さん
こういった公的なサービスの負担を企業の福利厚生でフォローするといった働きかけは出来ないのでしょうか。
市長
一度、御提案の件については、商工会議所とも話をしてみたいとは思います。ただ、企業側の体力も関係しますし、公平性の観点から公が担うべきサービスとの住み分けや、中小企業への支援も併せて考える必要がありますので、一朝一夕に進めることは難しいと思います。
パールプロジェクト 重原さん
イクボス宣言をされた企業に投げかけていくという手法もありますよね。
パールプロジェクト 内田さん
企業としても女性の就労継続のための社会的責任を果たす姿勢を見せることで、イメージアップにも繋がると思います。子育て支援の財源という面では、ふるさと納税を活用されるといったお考えはありますか。
市長
ふるさと納税については、納税者が目的を選択できる制度となっておりまして、子育て支援としては、乳幼児健診に関する費用や子どもの医療費に対する助成に充てさせていただいております。有難く活用させていただき、他の財源も用いながら、さらなる子育ての充実を図っていきたいと思います。
パールプロジェクト 内田さん
最後に少し話は変わりますが、多くのことを検討いただくためには庁内の効率的な会議運営が必要だと思います。そのためには職員一人一人が、時間に対する意識を変えていく必要があると思いますし、そうでなければ、不要な残業に繋がることもあると思います。特に所属長を中心にファシリテーション能力を磨いていくべきだと思います。
市長
時間内に仕事を終え効率的に業務を進められるよう、常に進捗管理や割り振りの見直しを各所属で徹底しています。特に近年は働き方改革ということで、ワークライフバランスの実現を常に職員にも周知しています。ただ、新型コロナウイルス対策をはじめとして、どうしても業務が集中して残業せざるを得ない場合もあります。
御意見をいただいた会議の効率的な運営については、職員研修の中にも入れ、人材育成面でも重視をしていますが、市の最高協議会議である部長会議を見本として、今一度、会議のルール化を徹底し、会議の効率化を図ることで、市民の皆様のために仕事の質を高めていきたいと思います。
本日は多くの御提案をいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。