はしかわ市長のだいすきくさつ(令和6年6月)
更新日:2024年6月3日
文章は、「広報くさつ6月号」に掲載された内容です。
安全でおいしい水を届ける使命
朝起きて顔を洗う。食事を取る。歯を磨く。トイレに行く。お風呂に入る。毎日の日常生活に必要な「水」。蛇口をひねると、きれいな水が出てきますが、それは、私たちにとって当たり前の日常になっています。でも、その当たり前が、当たり前ではないことに改めて気付かされたのは、今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震ではないでしょうか。
地震によって管路や配水池が破損し、最大で約13万7千戸が断水しました。各自治体へ応急給水活動の応援要請があり、草津市からも給水車とともに職員を派遣しました。「水道が使えないことが本当に困る」という連日の報道を見ながら、一日も早い復旧を願うとともに、市民の皆様に水を届ける責任の重大さを改めて感じているところです。
草津市の上水道は、昭和39(1964)年4月に北山田浄水場で一部給水を始めて以来、今年で60年になります。この60年の間、人口の増加や下水道の普及などに伴って伸びる水需要に対応するため、ロクハ浄水場の増設や両浄水場の拡張、配水管の整備などを進めてきました。
安全・安心な水を継続して皆様に届けるためには、施設の計画的な更新や災害対策、適切な維持管理が必要です。また、水道事業は、原則、水道料金で運営(独立採算制)しており、経営基盤の強化など、安定した事業経営が必要となります。
市では、平成23(2011)年3月に、長期的な指針となる「草津市水道ビジョン」や、適正な料金水準を検討した上で健全経営を維持していくことを目標とした「草津市水道事業経営計画」を策定し、毎年、各事業の進捗状況の検証と評価を行ってきました。現在は、令和4(2022)年度から令和15(2033)年度までの12年間を計画期間とする「第2次草津市水道ビジョン〔経営計画(経営戦略)〕」に基づいて、施設の耐震化などを計画的に進めているところです。
供用開始から60年が経過し、施設全般の老朽化や、節水機器の普及などによる給水収益の減少など、水道事業を取り巻く環境は厳しい状況にありますが、今後も安全でおいしい水を作り、快適な市民生活を支えるという水道の使命を果たすとともに、今日の水道の恩恵を次世代に継承し発展させていくため、決意を新たに取り組んでまいります。