所長挨拶
更新日:2025年7月15日
第4期草津市教育振興基本計画スタートの年
今年度から草津市教育振興基本計画の第4期が始まりました。これは、「こどもが輝く教育のまち・出会いと学びのまち・くさつ」を基本理念のもと、柔軟な発想と改革意識をもって教育施策を遂行していくため、策定されたものです。教育研究所もこの計画に基づき、基本施策に沿った機能強化をすすめ、教育活動の充実を進めてまいります。
「不登校児童生徒への支援の充実」について、不登校児童生徒数が、全国で34万人を超えたと報道でもあるように、教育現場での課題の一つになっています。文部科学省では「不登校は誰にでも起こり得るもの」として捉え、「個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにすること」と通知が出されています。
草津市内では、児童生徒数は増加していますが、不登校の児童生徒数は、増加にストップがかかってきています。理由として、令和5年にやまびこ教室の分室である「やまびこ上笠教室」が開所されたこと、令和6年より市内全小中学校に登校支援室が配備されたこと、フリースクール通所への助成が充実されたこと等、こどもの居場所が確保されてきたことが考えられます。
やまびこ教室の通所人数は、令和2年からの5年間で2倍に増えています。ニーズが高まる中、国のCOCOLOプランに示されているように、教育支援センターであるやまびこ教育相談室の機能強化が必要です。今年度より、臨床心理士を配置し、カウンセリングを通じて成長を促すよう、不登校支援の充実を行っていきます。また平日だけでなく、土曜日の電話相談も開始し、保護者支援の充実を図ります。
不登校支援は、計画的・組織的に進めることが重要です。家庭・学校・SSW・関係機関等と連携し、支援の充実を図ります。
「教職員の指導力とチーム学校の指導体制の充実」については、こどもの多様化・複雑化する困難等に対応するため、専門家(弁護士・精神保健福祉士)の助言を得ながら解決を目指す「学校問題サポートチーム」の拡充を行います。SNSによるトラブルやいじめ重大事態等、相談件数が急増していることから、今年度より年40回の弁護士相談に増やしました。精神保健福祉士のモニタリングも随時受け付けております。
またスキルアップアドバイザーによる経験年数の浅い教職員の指導力向上やICT活用力の向上等、複数回の学校訪問を通じて、個別支援の充実・校内OJTの推進等、学校の組織的教育力の向上に努めます。特にICT活用力については、支援が必要な教職員へのステージ研修を通じて、市内全体の活用力向上を目指します。
夏期研修講座では、今年度は特に教職員の資質向上を図る研修に力を入れていきます。「こどもまんなかの学校づくり」「ウェルビーイングな学校づくり」「多様な教育的ニーズへの対応」「働き方改革の推進」「チーム学校体制の充実」「人権教育」等、昨年の研修後アンケートを受け、ニーズに応じた講座の準備を進めてまいります。
教育に力を注ぐことは、未来を創ることであり、「こどもが輝く教育のまち」を実現することは、草津市のよりよい未来を創ることにつながっていきます。本研究所もこどもを中心に据えた「こどもまんなかの学校づくり」を支援すべく、教育行政の一助を担ってまいります。今年もどうぞよろしくお願いします。
草津市立教育研究所 所長 小林 悦子
