近畿都市教育長協議会 定期総会・記念講演

　近畿都市教育長協議会が米原市において開催されました。テーマは「子どもたちが自分でつかむ自分の未来～「生きる力」の基盤となる非認知能力の育成～」です。

　講師に椙山女学園大学教授の山田真紀氏を迎え、記念講演が行われました。
　講演では、学校の現状として「学校が息苦しいと感じる子どもたち」がいるという背景には、過保護に育てられたレジリエンスの低下、学校に行かなくていいという認識の変化などがあると指摘されました。実際に山田先生の大学の学生アンケート結果によると、集団は疲れる、場を読むプレッシャーを感じるなど、人間関係は息苦しいという若者が少なくありません。
　さらに、VUCAの時代と言われる先行きの見通しが立たない時代を迎える中で、教育の目的である個人の観点(人格の完成)と集団の観点（社会の形成者の育成）をどう育成するのかが大きな課題になっています。特に日本人は社会参画の意識と自己肯定感が低いと言われています。
　山田先生の研究では、学校における「特別活動（話し合い活動）」において良い結果がでていると報告されました。その話し合い活動では、多数決という方法を取らずに、本質的な話し合いを通じて「よい合意形成」を図るという進め方を取られていることが特徴です。
　また、1年生から6年生までで構成する「縦割り」という活動形態も併せて取られています。この二つの活動（仕掛け）は、「多様性の尊重」と「良い合意形成」の体験になるとともに、どんなこどもでも輝ける場や人の役に立てたという実感が味わえるということに繋がっています。
　今回は、特別活動の持つポテンシャルの大きさを学んだ記念講演でした。本市でも実践に繋げていきたいと考えております。