令和6年3月定例市議会施政方針と当初予算
更新日:2024年3月4日
各議案の提案理由の説明を申し上げます前に、令和6年1月1日に発生しました能登半島地震により、犠牲となられた方々に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された全ての方々に心からお見舞い申し上げます。本市からも給水活動や建物被害状況調査、避難所運営などへの職員派遣や、市営住宅の提供など、精一杯、支援を行っているところであり、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
令和6年度施政方針について
それでは、今後4年間の市政をお預かりするに当たりまして、私の所信と、令和6年度の施政方針につきまして、申し述べさせていただきます。
私は、このたびの市長選挙におきまして、第20代草津市長として、引き続き5期目の市政をお預かりさせていただくこととなりました。大変光栄でありますとともに、市民の皆様の御期待の大きさと責任の重さに、身の引き締まる思いでございます。平成20年3月の就任以来、「現場へ行き・現物を見て・現実を知る」という三現主義を基本とし、市民の皆様の声を真摯にお聞きしながら、私の座右の銘である「至誠」の精神で、課題の解決と本市の更なる発展に向けて、誠心誠意、全身全霊を傾けて市政運営を行ってまいりました。
1期目の平成20年3月に、市民の皆様にお約束したマニフェスト『「もっと草津」宣言』にはじまり、2期目の『「さらに草津」宣言』、3期目の『「ずっと草津」宣言』、そして、4期目の『「ずっとずっと草津」宣言』に至るまで、様々な施策と事業の推進を掲げ、また、令和3年度からは、第6次草津市総合計画に基づき、『ひと・まち・ときをつなぐ 絆をつむぐ ふるさと 健幸創造都市 草津』の実現のため、この16年間、職員とともに全力で取り組んできたところでございます。
4期目の任期途中には、新型コロナウイルス感染症の大流行という世界規模での大きな危機にも直面いたしましたが、その中におきましても、「まちづくり」・「地域づくり」をはじめとする施策の積極的な展開によりまして、全国の都市を対象とした東洋経済新報社の「住みよさランキング」をはじめ、多くの民間調査において、「住みよいまち」、「住み続けたいまち」として、高い評価をいただいているところでありまして、人口増加で申し上げますと、1期目就任後の平成22年3月に策定しました「第5次草津市総合計画」の「基本構想」に掲げた将来人口の予測を、令和2年国勢調査の結果では、約8,500人、率にして約6.3%上回ることができました。
また、先般、国立社会保障・人口問題研究所が公表しました「日本の地域別将来推計人口」では、約25年後の2050年においても、2020年の人口を上回っている数少ない自治体の一つとされており、全国の多くの自治体が人口減少局面を迎える中、本市は、「草津に住み続けたい」、「草津市に住みたい」と思っていただける、「選ばれるまち」として、人口増加を続けているところでございます。
このことは、先人の御尽力の賜物であり、ここにおられる議員各位のお力添えと御理解・御協力のもと、「健やかに幸せに暮らせるまち、ずっと住み続けたい健幸のまち」を目指して、取り組んできた成果であると考えているところでございます。今後、本市におきましても、確実に訪れる人口減少・超高齢社会を見据えまして、現状に満足することなく、まちに元気のある今だからこそ、積極的な仕掛けづくりを行ってまいりたいとの意を強くしているところでございます。
さて、社会・経済を混乱に陥れた新型コロナウイルス感染症がようやく収束に向かい、経済活動も正常化が進む中、本市は、令和6年度に、市制施行70周年の記念すべき年を迎えます。
昭和29年10月15日に市制が施行されて、人口3万2,152人の市として誕生した本市は、今や人口約14万人の県下第二の都市に成長し、私個人といたしましても、長きにわたって、本市の変遷を、また発展を目にし、また、関わりを持てましたことに、感慨とともに、少なからず誇りに感じているところでございます。
この市制施行70周年という節目を迎えるにあたり、令和6年度は、市民の皆様に参画をいただきながら、ともに楽しんでいただける様々な記念事業を展開してまいりたいと考えております。
また、令和7年に開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に向けて整備を進めてまいりました草津市立プールが「インフロニア草津アクアティクスセンター」として、本年8月に、いよいよ供用開始を迎えます。全国初の通年利用できる4分割可能な50mプールと、西日本初の通年利用できる飛び込みプールを備え、新たな水泳競技の拠点として、また、にぎわいづくり、健康づくりの拠点として、この施設を活用いたしまして、本市の魅力を更に高めてまいります。
これまでの16年間、社会情勢や市民ニーズの変化に対応しながら、様々な課題を解決するための施策や、市民の皆様が「健やかに、幸せに」暮らせるまちの実現に向けた施策を実施してまいりましたが、今後も、「初志貫徹」、初心を忘れず、「三現主義」のもと全身全霊でまちづくりに取り組んでまいりますので、引き続き、議員の皆様をはじめ、市民の皆様の御支援・御協力をお願いいたします。
令和6年度当初予算の考え方について
それでは、予算編成の前提となります我が国の経済動向と令和6年度の当初予算につきまして、その編成の考え方を申し上げます。
本年1月26日に閣議決定されました「令和6年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」では、「我が国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、改善しつつある。30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済には前向きな動きがみられ、デフレから脱却し、経済の新たなステージに移行する千載一遇のチャンスを迎えている。」と、経済見通しを前向きに捉える一方で、「賃金上昇は物価上昇に追いついておらず、個人消費や設備投資は、依然として力強さを欠いている」と、警戒感を示しながら、「引き続き、「新しい資本主義」の旗印のもと、民間需要主導の持続的な成長とデフレからの脱却、「成長と分配の好循環」の実現を目指す」とされたところでございます。
こうした国の情勢や本市の状況を踏まえまして、令和6年度予算は、本市が市制70周年を迎え、また、私の新たな任期の始まりの年でもございますことから、“ずっとずっとずっと住み続けたい健幸のまち草津”の実現に向けまして、「新たな次代(みらい)を切り拓く」予算として編成したところでございます。
まず、本市の令和6年度の歳入の見通しでございますが、歳入の根幹であります市税の見込みは、給与所得の増加や、堅調な宅地開発等を背景に、個人市民税、固定資産税を含めまして、国の経済対策であります定額減税の影響反映前では、市税全体で過去最大を見込んでいるところでございまして、我が国全体におきましても、国の地方財政計画では、来年度の地方税収を、同じく定額減税反映前では、過去最大で見込まれているところでございます。
一方、歳出面では、社会保障関係経費をはじめとする経常経費に要する一般財源は増加する傾向が続いており、人件費や物価高騰の影響もあり、引き続き、厳しい財政運営が見込まれますが、第6次総合計画に定める将来に描くまちの姿である「ひと・まち・ときをつなぐ 絆をつむぐ ふるさと 健幸創造都市 草津」の実現に向けて、第1期基本計画の4つのリーディング・プロジェクトであります、「未来を担う子ども育成プロジェクト」、「地域の支え合い推進プロジェクト」、「にぎわい・再生プロジェクト」、「暮らしの安全・安心向上プロジェクト」を中心に、SDGsの視点を踏まえながら、子育てや教育、福祉に加え、都市の基盤整備や公共施設の老朽化対策、そして災害対策など、戦略的に財源配分を行ったところでございます。
また、これら総合計画に位置付けました4つのリーディング・プロジェクトの推進と併せまして、草津市行政経営改革プランに基づく、歳出全般の見直しや、デジタル化の推進、働き方改革など、行財政マネジメントによる持続可能な行政経営の実現に向けて予算編成を行ったものでございます。
令和6年度の予算規模でございますが、一般会計では、今年度予算より78億9千万円増、比率にして14.4%増の627億1千万円となり、当初予算としては、過去最大の規模となったところでございます。
この要因といたしましては、国が経済対策として進める低所得者等への給付金で約16億円、小中学校体育館等の空調整備が約18億円、そして、最終年度となります草津市立プール整備が、今年度より約14億円増の約38億円となることなどにより、予算規模を押し上げたもので、近年の税収増も背景としまして、将来世代の方々が、「健やかで、幸せな」生活を送れるよう、子育て支援・教育施策をはじめ、今こそ、未来に向かって積極的な投資を行うべき時期と判断したことによるものでございます。
また、特別会計では、7つの特別会計を合計した予算規模は、今年度と比べて7億1,990万円増の349億2,450万円、率にして約2.1%増で、一般会計同様、過去最大の規模となり、一般会計と特別会計を合計した予算規模は、976億3,450万円となったところでございます。
それでは、令和6年度当初予算の特徴的な点と具体的な施策につきまして、総合計画における「まちづくりの基本目標」の5つの柱に基づき、御説明申し上げます。
「こころ」育むまちへ
まず、一つ目の柱である『「こころ」育むまち』へ向けた取組でございますが、人権や男女共同参画、学校教育、生涯学習・スポーツ、歴史・文化関係の施策でございます。
人権につきましては、地域や各種団体と連携しながら、教育・啓発事業や市民の学習活動への支援、相談事業を行い、市民一人ひとりの人権が擁護され、尊重されるまちづくりを推進してまいります。
また、「開かれた隣保館等の今後のあり方について」の基本方針に基づき、福祉の向上、人権啓発と併せまして、住民交流の拠点となる、より「開かれた隣保館」として運営を行ってまいります。
次に、男女共同参画では、「男女がともに喜びと責任を分かち合う協働のまち草津」を目指し、男女共同参画センター「あい・ふらっと」を拠点として、男女共同参画の意識づくり、起業支援などを通じた女性の活躍推進、相談支援等に取り組んでまいります。
次に、学校教育では、「誰一人取り残さない教育の実現」を目指し、「持続可能な社会の創り手」を育てるESDの視点に立った教育活動を展開するため、全20小中学校において、学校と地域との連携を核にした「スクールESDくさつ推進事業」を拡大実施し、児童生徒の資質・能力の更なる向上を図るとともに、小中学校のスクールサポートスタッフの配置を、新たに全ての小中学校に拡大するなど、教員の働き方改革を推進し、学校の業務改善とともに教員の資質向上を図り、「学びの質の向上」に注力できる体制づくりに努めてまいります。
また、全国的な課題であります、不登校やいじめ問題の未然防止・早期解決に向けましては、全ての小中学校に登校支援室加配教員を市独自に配置するとともに、スクールソーシャルワーカーの配置を充実し、関係機関との連携体制の強化を行い、不登校の子どもたちの将来的な社会的自立や、通いの場の確保のため、フリースクール等の民間事業者と連携した支援の充実を図ります。
さらに、教育費の負担が大きい中学生のいる世帯の経済的負担軽減のため、市独自に中学校給食の無償化を実施するとともに、小学校給食については、国の交付金を活用して、物価高騰に伴う食材費の高騰分に係る給食費の保護者負担を軽減し、安全で安心でおいしい給食の提供に、引き続き努めてまいります。
また、近年の記録的な猛暑による児童生徒の熱中症対策と災害発生時における広域避難所の防災機能強化を図るため、全ての小中学校の体育館および武道場に空調設備を設置し、更なる教育環境の充実を進めてまいります。
次に、生涯学習・スポーツでございます。生涯学習では、これまでの「子ども読書活動推進計画」と「図書館運営計画」を統合した「(仮称)草津市読書のまち推進計画」を策定し、市全体での読書活動の発展に取り組んでまいります。
スポーツでは、令和7年に開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」に向けて、いよいよ草津市立プールがオープンいたしますが、令和6年度は、各種関係団体や行政で組織する実行委員会を中心に、リハーサル大会の開催や本大会に向けた啓発など、開催準備を進めるとともに、市立プールを拠点に活動するトップアスリートを支援してまいります。
また、(仮称)新志津運動公園整備事業について、基本計画の策定など、整備に向けた取組を進め、本市のスポーツ環境の充実を図ってまいります。
次に、歴史・文化でございます。本市の歴史資産を保存・継承するため、「草津市文化財保存活用地域計画」に基づき、史跡草津宿本陣や史跡芦浦観音寺跡の保存整備や、史跡内の国指定重要文化財建造物の整備に対する支援を継続して行うとともに、本市の豊かな歴史文化を後世に継承し、貴重な文化財の保存活用に寄与するよう歴史資料館の整備に向けた基本計画の策定に着手してまいります。
「笑顔」輝くまちへ
次に、二つ目の柱である『「笑顔」輝くまち』へ向けた取組でございますが、コミュニティや地域福祉、健康、子ども・子育て・若者、長寿・介護、障害福祉の施策でございます。
まず、コミュニティでは、地域における特色や主体性を生かした取組が展開されるよう、地域に寄り添った支援を行いますとともに、市民総合交流センター「キラリエ草津」におきましては、中間支援組織と連携しながら、市民交流を促進するための事業の実施や効果的な運営を行い、引き続き、「市民との協働のまちづくり」を進めてまいります。
また、老朽化が進む笠縫東まちづくりセンターの改築工事に着手するとともに、矢倉および山田まちづくりセンターについては、改築に向けた設計業務を行い、地域のまちづくり活動の拠点整備を進めてまいります。
次に、地域福祉でございます。地域社会の課題に住民自らが気づき、行政との協働を図りながら、主体的に問題解決や地域の価値を創造できるよう、地域力のあるまちづくりを通じて、「地域共生社会」の実現を目指してまいります。
また、国の経済対策に基づき、昨今の物価高騰により影響を受ける低所得世帯等の生活を支援するため、各種給付金の支給を行うとともに、市民の住まいの安心と安定を実現するため、引き続き、老朽化が進む公営住宅の長寿命化対策や、新たな建替事業に向けた準備を進めてまいります。
次に、健康でございます。市民の健康づくりの取組につきましては、引き続き、がん検診受診率向上対策に取り組むとともに、高齢者の健康保持と増進、経済的負担の軽減を図るため、新たに市独自施策として、65歳以上の市民に対しまして、帯状疱疹予防接種にかかる費用の助成を行ってまいります。
次に、子ども・子育て・若者でございます。国におきましては、令和5年4月に「こども基本法」が施行され、令和5年12月には、今後5年程度を見据えた子ども・子育て施策の方向性を示す「こども大綱」および、次元の異なる少子化対策の実現に向けた政策強化の基本的方向をとりまとめた「こども未来戦略」が閣議決定されたところでございます。
本市におきましては、従来から子育て支援策に重点的に取り組んできたところでございますが、国の「こども大綱」を勘案しながら、「こどもまんなか」社会の実現に向けて、子どもや子育て当事者の意見を幅広く聴取し、令和7年度から次期計画期間を迎える「第2期草津市子ども・子育て支援事業計画」および「草津市子ども・若者計画」を一体とした「(仮称)草津市こども計画」の策定を行ってまいります。個別の施策といたしましては、妊娠期から出産・子育て期までの一貫した支援として、伴走型相談支援と経済的支援の一体的な実施を継続して行うとともに、妊産婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るため、産婦健康診査の費用助成に加え、妊婦健康診査の公費助成を市独自に拡充し、妊娠期から早期支援の充実を図ります。
また、母子保健分野と児童福祉分野の更なる連携強化や、妊産婦、子ども、子育て世帯へ一体的に相談支援を行うため、「こども家庭センター」を設置するとともに、安心して子育てができる環境づくりを進めるため、18歳までの子ども医療費助成や、第3子以降の保育料の無償化、保育施設等への紙おむつの支給、国の制度改正による児童手当および児童扶養手当の拡充など、引き続き、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。
待機児童対策といたしましては、保育士等の安定的な確保が喫緊の課題となっておりますことから、今年度から開始した就職応援定着支援金の支給や、奨学金の返済支援、処遇改善費補助など、保育士等の人材確保や保育体制の充実に向けた取組への支援を引き続き実施し、働きやすい保育環境を整えるとともに、放課後児童の健全育成につきましても、受け入れ定員の拡大および利用者の多様なニーズに対応できる民設民営の児童育成クラブの開設を、引き続き支援してまいります。
子ども・若者の育成支援につきましては、子ども・若者ケアラーへの支援や、新たに、市独自で草津市社会福祉協議会と連携した子ども食堂への支援を行うなど、困難を抱える子どもや若者の居場所の運営等を通じて、本人や家族の自立を支援してまいります。
次に、長寿・介護でございます。高齢化が更に進展する中、高齢者の皆様が住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らすことができるよう「地域包括ケアシステム」の深化・推進や、介護予防・生きがいづくりの充実、認知症施策の推進など、令和6年度からはじまる「草津あんしんいきいきプラン第9期計画」に掲げる目標の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、障害福祉でございます。「障害のある人もない人も、誰もがいきいきと輝けるまち」を実現するため、「障害」と「障害のある人」への理解促進の啓発を行うとともに、障害のある方が安心して暮らすことができるための各種福祉サービスの円滑な提供と充実を図ってまいります。
「暮らし」支えるまちへ
次に、三つ目の柱である『「暮らし」支えるまち』へ向けた取組でございますが、防災や生活安心・防犯、環境、交通、道路、上下水道の施策でございます。
まず、防災でございますが、先般の能登半島地震も踏まえまして、長期保存飲料水やパーテーションなど、防災備蓄を強化しますとともに、災害時のトイレ確保のため、従来から進めておりますマンホールトイレの整備に加えまして、新たに市独自でトイレトレーラーを1台配備いたします。また、自主防災組織が行う備品等購入への補助金の拡充、消防団員の消防自動車運転のための準中型免許取得への補助制度の創設など、自主的な防災活動の強化を図るとともに、学区災害対策本部の機能を担う地域まちづくりセンターへの防災行政無線の配備や、感震ブレーカーの設置補助金の創設など、災害に強いまちづくりを総合的に進めてまいります。
次に、生活安心・防犯でございます。防犯対策につきましては、地域や警察等と連携した街頭啓発や出前講座に加え、2カ年にかけて小中学校通学路や駅周辺に重点的に配置を進めた、子ども見守り防犯カメラを活用し、犯罪や前兆事案の未然防止に努めます。
また、火葬場につきましては、草津栗東行政事務組合において整備に向けた取組が進められておりますが、令和5年9月に策定された「(仮称)草津栗東火葬場整備基本計画」に基づき、民間活力の活用によるPFI方式で事業を進めるため、事業者の選定等が行われますことから、今後も事業が円滑に推進されるよう、栗東市と連携しながら取り組んでまいります。
次に、環境でございます。「草津市気候非常事態宣言」に基づき、市民、事業者、団体等と市役所の協働によるゼロカーボンシティの実現に向けて、「第5次草津市地球温暖化対策実行計画」を策定するとともに、公共施設照明のLED化の推進や、再生可能エネルギーである太陽光発電設備等の導入促進のための補助事業など、市域の地球温暖化対策をより一層推進してまいります。
次に、交通でございます。公共交通ネットワークの構築につきましては、「草津市地域公共交通計画」に基づき、まめバス路線の再編とまめタクの導入により、交通不便地の解消を図るとともに、まめバスへのキャッシュレス決済や、運行状況をリアルタイムで確認できる検索・乗降システムの導入により、公共交通の更なる利便性の向上を図ってまいります。
また、JR南草津駅東口にバスシェルターの整備を行うことで、駅利用者のバス待ち環境の改善に取り組むとともに、JR草津駅西口自転車駐車場の建替えなど、駅周辺の自転車駐車場環境の改善に取り組んでまいります。
次に、道路でございます。市道大路野村線の整備に、引き続き取り組むとともに、都市計画道路大江霊仙寺線南笠工区その2区間、および、市道東草津北2号線の整備に向けた取組も順次進め、安全安心な道路空間の確保を図ってまいります。また、快適な道路環境を維持するため、老朽化が進む橋梁、舗装等の点検と修繕を計画的に進めるとともに、通学路や未就学児が日常的に通行する経路における安全対策を継続的に実施してまいります。
次に、上下水道でございます。公営企業として、健全経営を維持し、安定した事業運営を行うため、運営方針である「第2次草津市水道ビジョン」と「草津市下水道事業第9期経営計画」に基づき、北山田・ロクハの両浄水場の耐震補強や浸水対策、上下水道管路の更新・耐震化を進め、適切な維持管理と経営基盤の強化に努めてまいります。
「魅力」あふれるまちへ
次に、四つ目の柱である『「魅力」あふれるまち』へ向けた取組でございますが、農林水産、商工観光、都市形成、公園・緑地、情報・交流の施策でございます。
まず、農林水産では、「第2次草津市農業振興計画」に基づき、農地の基盤整備を進め、農地の集積・集約化により、生産性の向上と効率化に取り組むとともに、供用開始から約20年が経過した道の駅草津のリノベーションを進めることで、農業振興や地域の活性化を図ってまいります。
次に、商工観光でございます。「草津市産業振興条例」および「草津市産業振興計画」に基づき、今年度設置いたしました草津市ビジネスサポートセンターの活用による創業支援や市内事業者の経営基盤の強化を進めるとともに、市内中小企業に対しまして、新たにDX人材の育成・強化を支援することにより、市内産業の活性化を図ってまいります。
観光分野におきましては、草津市観光物産協会の組織強化の支援および観光事業者等との連携により、観光資源の発掘・磨き上げを行うとともに、時代行列を復活させる宿場まつりをはじめとした各種イベントや、ビワイチ推進事業など、アフターコロナに対応して観光振興策を進めてまいります。
次に、都市形成でございます。地域再生の推進につきましては、「草津市版地域再生計画」に基づき、地域の皆様と作成した“まちづくりプラン”を協働により推進し、地域の課題解決につなげるとともに、滋賀県南部エリアの活性化に向けて策定しました「草津PAと連携した滋賀県南部エリア活性化基本構想」に基づき、「滋賀県の新たな玄関口」の創出に向けた取組を進めてまいります。
また、まちなかの魅力向上につきましては、より市民が主体となったまちづくりの取組を推進するため、草津まちづくり株式会社と連携しながら「(仮称)草津駅周辺エリア未来ビジョン」を策定するとともに、東海道沿道無電柱化事業や大津市との景観連携など、「草津市景観条例」に基づく良好な景観づくりを推進するため、草津市景観計画の改定に取り組んでまいります。
そして、市民生活の基盤となる住宅政策を効果的に取り組むため、「草津市住生活基本計画」に基づき、空き家等の対策や、分譲マンション管理の適正化の推進等の住宅関連施策を効果的に実施してまいります。
次に、公園・緑地でございます。市民の誰もが気軽に訪れ、健康づくりが行える拠点としての都市公園の整備や、児童遊園等の再整備を進めてまいりますとともに、ロクハ公園プールの再整備について、最適な整備・運営の検討を進め、基本計画を策定してまいります。
また、草津川跡地整備事業につきましては、区間6の公園整備に向けて、栗東市と連携しながら、民間活力導入の検討や、造成工事を進めてまいります。
次に、情報・交流でございます。広報くさつをはじめ、市ホームページやSNSなど、時代にあった様々な広報媒体をより効果的に活用して、市政情報を発信することにより、市政の透明化と市民のまちづくりへの関心・理解を深め、市制施行70周年を記念して実施する各事業を、効果的に広く市民に周知することで、市民の皆様とともにお祝いする気運を醸成するとともに、近年ますます全国的な注目度が高まっている“ふるさと納税”につきまして、市内企業や団体とも連携しながら、魅力ある返礼品の更なる開拓に努め、“ふるさと納税”を通して、本市の魅力を全国に発信し、シティセールスを推進してまいります。
また、本市の政策課題を分析し、課題解決や政策形成に結び付く調査研究活動を行い、大学等の教育機関の知見を生かした相互連携を推進するとともに、アーバンデザインセンターびわこ・くさつにおきましては、JR南草津駅を軸に、官民の多様な主体が地域の魅力向上や活動の活性化を目的に、専門家の助言を得ながら、これまでからの都市デザインを共に考え、将来のまちづくりの課題解決につながる実装に向けた取組を進めてまいります。
「未来」への責任へ
次に五つ目の柱である『「未来」への責任』の取組で、行財政マネジメントでございます。
「草津市行政経営改革プラン」に基づき、AI等の先端技術を活用した業務改善の実施や、死亡届提出後の多岐にわたる手続きをワンストップで対応する「おくやみ窓口」を新たに設置するなど、時代の変化に対応した最適な行政サービスの実現を図るとともに、更なる行政経営改革の取組を推進するため、次期「草津市行政経営改革プラン」の策定に取り組んでまいります。
また、「草津市情報化推進計画」に基づき、DX・ICT化を促進し、行政手続のオンライン化や地方公共団体の情報システムの標準化に向けた取組を進めるとともに、国・県の動向や情報通信技術を巡る昨今の急激な技術開発と社会情勢の変化を踏まえ、次期「草津市情報化推進計画」の策定に取り組んでまいります。
次に、職員力の向上につきましては、「草津市人材育成基本方針」に基づき、人材育成評価制度の効果的な活用を進め、組織全体で人材育成に取り組むとともに、職員の働きがい(モチベーション)を高めることに重点を置いた職場環境づくりを推進することで、組織力を高め、市民福祉の向上を図ってまいります。
また、令和6年度は、第6次草津市総合計画第1期基本計画の最終年となりますことから、令和7年度から始まる第2期基本計画の策定をSDGsやウェルビーイングの考え方も踏まえた中で進めてまいります。
財政運営について
以上が、令和6年度の施政方針と当初予算の主な内容でございます。これら諸施策の実施にあたりましては、限られた財源と人員を、効果的・効率的に活用しながら、健全な財政運営を維持していくことが必要でございます。
そのため、本市の財政運営の指針である「草津市健全で持続可能な財政運営および財政規律に関する条例」や、「第2期草津市財政規律ガイドライン」に基づき、総合計画に掲げる施策を推進しつつも、将来にわたって持続的に発展し、健全な財政運営を維持していけるよう、各種財政指標に留意しながら市政運営を行ってまいります。
財源について
次に、令和6年度一般会計当初予算における主な財源につきまして、御説明を申し上げます。
まず、市税は、約248億5,200万円でございまして、今年度と比較いたしますと0.5%減の約1億3,600万円の減収を見込んでおります。これは、給与所得の増加や新築家屋の増加等による増収を見込んだ一方で、国が行う定額減税の影響で6億5,400万円の減収を見込んだことによるものでございまして、定額減税の影響を除きますと、市税は約255億円となり、今年度より2.1%増、約5億2千万円の増で、過去最大を見込んだところでございます。なお、定額減税に伴う減収分につきましては、全額、国による財源措置が行われますことから、地方特例交付金において増額を見込んでおります。
次に、地方消費税交付金は、35億1,900万円でございまして、今年度と比較いたしますと1.1%増の3,900万円の増収を、また、地方交付税は、国の地方財政計画、滋賀県の推計値等を参考に試算いたしまして、22億1,100万円と見込んでおり、今年度と比較いたしますと19.2%増の3億5,600万円の増収を見込んだところでございます。
次に、国庫支出金につきましては、国の経済対策に伴う低所得世帯等への給付金の支給などにより、今年度と比較して16.4%増の約119億7,200万円を見込んでおり、県支出金ならびに他の財源につきましては、それぞれの事業に必要な所要額を計上しております。
次に、繰入金につきましては、財政運営計画に計上している投資的事業や戦略的な事業展開を進めていくための財源の一部として、各種基金を充当しておりますが、ふるさと寄附の増収に伴う、ふるさと創生基金からの各事業への充当額の増額などによりまして、今年度と比較して25.8%増の約24億8,800万円を見込んだところでございます。
また、市債につきましては、地方交付税の代替財源である臨時財政対策債が、地方財政計画を参考に、国税収入の回復等により、2億900万円の減と見込んだ一方、基金同様に投資的事業に対し必要な額を充当した結果、草津市立プール整備事業債が約21億1,900万円の増、小中学校体育館への空調整備等により小中学校建設事業債が約16億9,900万円の増となったことなどから、昨年度と比較して108.9%増、金額にして約36億7,500万円増の70億5,000万円となったところでございます。
以上が、主な財源の内容でございます。